ブレスレットやストラップなど、パワーストーンや天然石のアクセサリーを利用する人、それを売るショップが多くなっています。
外国土産や日本国内でも「○○山で採れた石」などと銘打った天然石のお守りやアクセサリーはたくさんあり、つい原産地のものを手にすると嬉しくなってしまうものです。
それはなぜかというと、その地で採れたものにはその土地の精霊や神様が宿っていたり、スピリチュアルな効果がなんとなく期待できるような気がしたりするからです。
しかし、それは天然のものだからこそ言える効果とされています。
母なる大地の産物だからこそ、スピリチュアルな効果を期待し、身につけたいのです。
それがもしも、偽物だったらその失望たるや惨憺たるものでしょう。
自分のもつパワーストーンが果たして本物であるか、偽物だったとしたらどのような作られ方をしているものなのかを知ることは、天然石の自然のパワーを正しく知ることにつながります。
パワーストーンの成り立ち方と「作り方」
天然石のパワーは自然界のパワーと言われ地球の鉱物であるパワーストーンは秘められたパワーを持ち、身につけることでそのエネルギーを自分のものにして、願いを叶えたり、能力を底上げしたりする力があるとされています。
良い石を身につけていると温かい気持ちになったり、力づけられたりすることもあると言われます。
そんなパワーストーンですが、中には天然のものではない、いわゆる「偽物」が売られたりしており、どんな石を選ぶかの前に、この石は本物か?と疑いを持ったりしてしまうこともあります。
本物か偽物かを論じる前に、その成り立ちと本物と偽物のボーダーラインを何処に置くべきかを考えておく必要があります。
石がどのように生成されるのかを知り、どの程度までの加工や人の手を加えることが偽物に当たるかを考えることで、自分の中の本物と偽物の線引きができるようになります。
天然石の真贋のボーダーラインというのは、実は専門家やショップの中でも結構あいまいなものなのです。
鉱物の多くは長い年月を地中や水中などで過ごし、地球の温度や堆積物による圧力、太陽光などによる変化によってゆっくりと生成されます。
地球の歴史と自然の起こしたさまざまな変化によって誕生したものです。
例えばパワーストーンの中でもメジャーな水晶ですが、石英という鉱物でこれは地下のマグマによって作られます。
アメジストはさらに、それに天然放射線が加わります。
ちょっとした生成の過程での変化によって同じ構成要素であっても全く違う石になったりするのです。
偽物の天然石というのは、これらの天然石を加工したものや人の手によって自然の成分ではないものから作られたものを言います。
しかし、全くの人工物はともかく、天然石を加工したものについてはどこまでを偽物とするかについては議論が分かれるところです。
天然石に太陽や天然放射線の代わりに機械で熱や光などを加えたらどうなのか、形状や色を強化すべく充填物やコーティングを施したらどうなのかという問題です。
前者は素材は天然物ですし、後者のコーティングも商品化のための研磨などの加工と大差あるまいとする人もいます。
つまり、それを手に取る人の考え方によって本物とも偽物ともなることがあることも否めません。
このパワーストーン、本物?偽物?
水晶を例に挙げましたが、パワーストーンや天然石にはさまざまな加工がなされている場合があります。
天然石の加工の例を挙げると大きく3つに分かれます。
◆ 色を変える加工
熱や放射線を当てて、色を変えます。
クオーツはたくさん種類がありますが、水晶にこうした加工をして人工的な着色をすることによって作られている場合があります。
素材は天然ながら、色が変わることで本来の石と効果やいわれが違ってとられてしまう場合もありますが、石としては本物として扱っている場合がほとんどです。
◆ 形を整える、大きくする加工
質の悪い石や小さい欠片を粉にしてそれを練って固めたり、ヒビを充填物で埋めたりする加工です。
形だけでなく違う素材が入ることがあるため、パワーストーンとしては抵抗感のある人が多いタイプの加工です。
◆ コーティング
金属などの違う成分で薄く石の周りを覆う加工。
本来の石の成分も形もそのままなので、本物として分類しても抵抗がありません。
どこまでの加工を認めるかはその人の感性による部分が多くなります。
石だけではなく、金やシルバーにもスピリチュアルな効果があると言われますが、これら金属は天然のままでは身につけにくく、金に関してはアクセサリーにするためにはかなりの割合で他の素材を混ぜています。
純度が高いものが良いのは当然ですが、身につけやすくする必要最低限の加工に関しては意見が分かれるところです。
偽物パワーストーンのよくある話
自分の中で認められる範疇、許せない加工法が選べたら、それを選ぶ目が必要です。
知らないことは何を持っても効果を信じられるという意味では幸せかもしれませんが、自分で本物を見つけるチャンスを失います。
偽物のパワーストーンにまつわる失敗談や逸話、笑える話なども多く見られますが、自分の身に起きたら悔しくて笑うどころではないはずです。
「これは天然ですか?」の質問に答える店員が、知識不足だったり石に加工がしてある場合には、粗悪品であったり、天然石を粉にして固めたものであっても「天然」という言葉で一括りにしてあいまいにyesの返事をされることもあります。
また、シトリントパーズを「トパーズ」と言っているジュエリーショップも多くありますが、これは本来全く違う石で価格も天と地ほど違います。
こうしたショップ店員との会話からでも自分に知識さえあれば、自分が求めているものかそうではないかを見分けるヒントを得られるはずです。
パワーストーンは自分が持っていて安心できたり、気持ちよく過ごしたりするためのものでしょう。
なのに、本物と偽物の違いが分からないために不安を抱えるのでは本末転倒。
安心して願いを委ねられる石と出会うためには自分自身の知識も磨かなくてはいけません。